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3.ノルブリンカ
ネタン大仏を後にして、また車で移動を開始した。
が、車内で座っていると、徐々に身体に異変を感じ始めた。
「し、しびれる・・・」
足が痺れるのだ。膝から下全体が、じんわりと。痛みを感じるほどではないのだが、かつて味わったことのない奇妙な感覚に、焦った。これも高山病の症状の一つらしい。

「あっ!!」
街中を駆け抜ける車の窓から突然、ポタラ宮が見えた。
あんなふうに、何気なく、街のどこからでも見えるような位置にポタラ宮があるとは。
「今から、明日の見学のための予約券を取ります。」
ガイドはそう言って、ポタラ宮の前で車を停めた。
5月から10月までのオンシーズンは、観光希望日の前日に予約券を入手せねばポタラ宮に入ることができないのだ。
ポタラ宮の入口前ーー巡礼者にまじって私もマニ車を回してみた。

私が首に巻いているのは、「カタ」と呼ばれるシルク製のスカーフだ。観光客は皆、チベット到着時に、歓迎の証として首に掛けてもらえる。
巡礼の際に持参して、高僧に巻いてもらったり、仏像やタンカ(チベット仏画)に投げかけたりもする。
入場券予約窓口に行ってみて、びっくり!!

ずらりと座って並んでいるこの人々は、みんな入場券を求めて並んでいるのだった。
ガイドは少しの間行列に加わろうと試みたが、一向に列が動かないのを見てすぐに断念。携帯で旅行会社と連絡を取り、別のつてを使ってなんとかすることにしたと言う。
チベットまで来て、ポタラ宮を見られずに終わる可能性を考えると、ゾッとしたが、とにかくガイドに任せるほかなかった。
ところで、ポタラ宮の周りの道路には、手にマニ車を握りしめ、ぐるぐる回しながら歩いているチベット服のお婆さんがたくさんいた。各々のペースで、ポタラ宮の周囲を時計回りに、一心不乱に回っている。これは「コルラ」と呼ばれるチベット仏教の儀式で、寺院や仏塔の周りでは必ず見かける光景だった。
続く